KINOという居場所

2023-04-07

  それは狸小路6丁目にある、30年前に1スクリーン60席の劇場で始まったミニシアター。

今は2スクリーンに増え、100名と60名を収容することができる小屋に成長しました。

シアターキノ、が正式な劇場名。

オーナーである中島夫妻が札幌の映画文化を守りたいと、市民有志に出資を募って作り上げた小屋です。

映画こそ20世紀が生んだ(発明は19世紀ですが)最高の芸術の一つと信じてやまない私は、

子どものころから時間があれば映画館に足を運んでいました。

本と映画で人生を学んだ。

札幌の映画館も時代の流れに勝てず、どんどん閉館してしまいました。

今ではシネコンが二つ、サツゲキというミニシアターよりは少し大きい劇場。そしてキノ。

シネコンは収益優先のためどうしても掛ける作品は大作中心になってしまう。

けれどキノは中島夫妻の確かな眼で選ばれた良心的な世界各国の映画が観られます。

そして何よりキノに一歩足を踏み入れたときに広がる、壁一面の監督や俳優たちのサインと一言。

キノがどれだけ映画人に愛されているか良く分かります。

そのキノが昨年30周年を迎えて、いろいろな記念企画を行いました。

その一つに『若き日の映画本』の出版があります。

キノに関わりの深い監督や俳優、評論家、作家たちに執筆を依頼し、若い時にお勧めの作品を書いてもらった本。

執筆者ごとに装丁や活字を変える工夫がなされていて、読んでいても見ていても飽きさせません。

市内大型書店でも購入できますが、出来ればキノで何か作品を鑑賞してから

モギリのコーナーで買ってほしいと思います。

私の最高の癒しの場です。

 

 

                       コスモス苑 施設長

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